* 新潟県中越地震の教訓*
2回目の地震が起こった時に改善されたことは縦割りから時間軸への変更。
人手不足のため高齢者・障害者のことをやろうと思っても避難所が一定程度落ち着いた1
週間後からでしか状況をつかみにいくことができない。部局別では問題があるので新潟県
としては時間軸で変えていこう。つまりいつまでに何をしなくてはいけないか。そのことを中
心にものごとを組み立てていこうということで時間軸に変更した。その結果、1回目の地震で
は安否確認に福祉の専門家を県内から集めて安否確認するのに約27日かかったが、2回目
の地震の時は本部のようなものが2日目にたちあがって1週間の間に1000人位は安否確認
を全部終えた。しかし洋式トイレが届くのに時間がかかりすぎて、障害者が避難所で実際に
生活できないという状況は変わらなかった。
* 能登地震の特徴*
能登の地震では大きく2つの特徴がありまして、1つは福祉避難所が公的にはじめて設置さ
れた地震なんです。簡単に言えば高齢者・障害者を中心として一般の避難所では生活が厳
しいという人たちのためにバリアフリーな建物で、ある程度人的な体制もひいて避難してい
ただく為のものと考えてもらっていいのですが、そういう福祉避難所が初めてできた。その
後に新潟の2回目の地震が起きていますから2回目は福祉避難所がかなり作られました。も
う1点は安否確認名簿とマップがつくられていて、門前町という町で災害発生後1時間位で
全ての高齢者の安否確認を終えた事。だから要援護者の把握とマップに落とし込む作業は
大事なんだと大々的にマスコミで報道されました。でも僕はおかしいなと思って後日いろい
ろ聞きましたら、マップは10年前から既にあるのです。高齢者に関しては普段からどこに住ん
でいるか民生委員さんが知っているから安否確認が簡単にできた。地図を見たからではな
いのです。
* 地震の時は我慢大会*
地震の時に大変なのがみんな我慢大会になってしまうのですね。「えんぴつの家」という阪
神淡路の時に、社会福祉法人で、児童を中心に最初は相談活動をしてグループホームをや
って神戸で幅広い活動をされているところの事務局長さんが安否確認をとにかく早くした
いということでいっぱい情報を集めて自分自身もまわった。大丈夫かというと大丈夫だと
言うのですね。お風呂は入れていますかというとこんな時に入れるわけないでしょと。下着
くらい替えてますかと聞くとそんなものも替えれない。命さえあれば大丈夫であれば仕方な
い。全てが贅沢になってしまう。こちらの方が自衛隊があそこで入浴施設やっていると言え
ばその方は入るといったでしょう。救援物資で下着が集まっているから要りますかというと要
りますというだろうけれど、大丈夫ですかと聞くと大丈夫になってしまって。こちらがサービス
の内容をきちんと提供しないとなかなか相手も言えない。
当日は手話通訳の方をお願いし、また同時に要約筆
記を大型スクリーンで見られるように配置しました。