No.1
脳性麻痺の二次障害を考える⑥
~身内のいない人が入院・手術を行う場合に伴う課題~
今回の掲載内容について
今回も、前回に引き続きAさんからこの1年を振り返っての思いをつづっていきたいと思います。
今回は、Z病院へ入院をするところから、退院してご自宅に戻られるまでの思いです。


Aさんの思い:この1年を振り返って 最終回

<Z病院に到着>
 Z病院へ到着して、緊張がどれほどに張り詰めていったであろうか、心臓の鼓動が高まっていった。
 こんな気持ちは何年振りだろうか(20年ほど前に全国大会【※全国大会というのは、Aさんが以前
 されていたスポーツの大会のことです。】へ出て以来の心臓の鼓動の高まりを感じていた。)
 病衣に着替えしばらく付き添いの方との歓談をして、入院中の荷物も片付けてもらい、
 センター:「じゃあ、仕事もあるし帰るね、また来るし心配しなくていいよ。」
 わたし:「今日の一時をありがとう、このことは一生忘れないから」
 センター:「そんな縁起でもないこと言われんなま、まだ手術もしてないのにそんなこと言ったら駄
     目だなか。」
  と言って帰っていかれました。(自分の心の隅に寂しさを感じたのであろう。)
 わたし:「あ~、またベッド安静かよ」と心の中でつぶやいた。
      (そのときの状態は手も足も動かないからである。)


<使い易いナースコールへ~素早い対応>
 しばらくしてから、看護師さんが来られた。ナースコールの説明であった。
 現物を見て言ったことは、
 わたし:「今のこの手じゃ押せないのですが・・」と言ったら、
 看護師さん:「ちょっと待っていてね」と言われ戻っていかれました。
 わたし:「どうするのだろう??ナースコール押せなかったら。」しばらくしたら
 作業療法士さん:「O.T(作業療法士)のものですが、Aさんですか?。実は、ナースコールのこ
     とをお聞きしましてうかがった者ですが。どんな状況か知りたいのと、大きめのナースコー
     ルをふたつ持ってきましたが、押さえてみてください。」
  と言われ、押さえても力が入らず、
 作業療法士さん:「分かりました代わりのものを探してきます。しばらくお待ちください。」
  と言い戻っていかれました。
 わたし:「この病院なんちゅう対応が早いがんよ。」と心の叫び。
  しばらくしてから、
 作業療法士さん:「お待たせしました。」
  という声でホッといたしました。
 作業療法士さん:「これなら大丈夫。今から試験的にやってみるから、看護師さん呼んでくるから待
     っていて」
  看護師さんがふたり病室に入ってこられた。ベッドに装着してあるものを見られて、
 看護師さん:「これ何ていうもの?」と聞かれ 
 わたし:「正式名は知りませんが、博物館に展示してある恐竜の化石みたいから『恐竜の化石』と言
     おうか?」
 看護師さん:「そう言われればそう見えるわ、すごい上手な表現されますね。」
  と言う会話をしていたら、作業療法士の方が来られ、試験的に使用することになり看護師さんがふ
  たり配置に付かれスッタフセンターには「○○号室の△番ナースコールの試験使用いたします。」
  との連絡も敏速に行い、何も支障はなく終わり、
 作業療法士さん:「入院中はこれを使って行きましょう。」
  と言われナースコールの使用も解決をいたしましてホッとして、
 わたし:「ありがとうございました。」
  と言うと笑顔で持ち場へ戻っていかれました。
 (後に分かったことなのですが、正式名はタッチセンサーです。)

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