HSK(遊ぼうよNo.40号) 
2007年2月23日発行 

2.新年のごあいさつ
3.講演会<障害者の起業人>聞いてみよう!働く場のつくり方2
4.まちなか(グループホーム)の入居条件が変更になりました。
5.講師派遣日記
6.自立生活体験レポート1
7.当センターの主な動き/今後の動き

新年のごあいさつ 理事長 平井誠一 
 今年は、暖冬で雪国富山でも平野部では雪が昨年の暮れに少し降っただけです。障
害者や高齢者に取っては暮らしやすい日々になっています。
 しかし、このような気候がよいものとは言えません。世界的にも異常気象の現象が
現れてきており、生態系に少しずつ影響を与えているようです。このことに対してま
だまだ経済優先の施策をとっている国が多い中で、私たちの住む地球が暮らしにくく
なっていることはいろんな自然災害からも明らかです。春夏秋冬の季節感がある今の
私たちの住んでいるところであってほしいです。
 
 さて、昨年から始まった障害者自立支援法は、私たち障害者の多くは暮らしに余裕
のないものへと変わりつつあるようです。早い福祉政策の転換は、ほとんどの人たち
がついて行けてないように思いますが、住む地域によってはますます格差が開いてき
ているように感じます。「地域移行」ということがいわれてきましたが、私たち障害
者自身がほんとに地域でどのような暮らしをしたいのか、どのような生き方をしたい
のか時代の流れに身を任せるのではなく、立ち止まって考えてみることが大切かと思
います。
 昨年の12月から取り組んできましたご家族のいない方が長期入院されていたので
すが、退院後の生活についての相談があり、行政センター・民生委員さん・病院関係
者・市役所・親戚の方と何度かお会いしながらケア会議を持ち、現在は地域での生活
に入られました。
 
 最近の相談としては、身寄りのない方たちの地域生活に関するものがあります。私
自身、両親は若い頃からいませんが、いま経済学からみた障害者の課題がほのかに話
題になっているようです。まだ、はっきりとしたものはもててないのですが社会や制
度が変貌していく中で、障害者の課題を「福祉」という視点だけではダメで、また地
域移行や就労だけを掲げているだけでもダメだと思ってきています。もっと多面的な
視点で捉えていくことが必要だと感じています。さらに難病をお持ちの方たちからの
相談も増えてきて、初めて聞く病名が多く、その病名を調べ理解することも必要なこ
ととなってきています。
 
 私自身、現在二次障害の進行が著しく感じられ、自分自身もまた今後の生き方や課
題について考えざるを得なくなってきております。今取り組んでいることは、まさに
自分自身のことでもあるわけですが、社会の流れに流され飲み込まれることなく、「
ともに生きる」という我がテーマにひとつひとつ向き合っていくことができればと考
えています。
 
 今年も、皆様方のご支援とご理解をお願いします。
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障害者の起業人 聞いてみよう! ―働く場の作り方― 2
りーぶる・ライフより転載
(当センターのブログです)
前回、書き忘れましたが、昨年の9月23日(土)にサンシップとやまにおいて開催し
ました講演会の内容を編集したものです。

前回の報告の続きです。
戸田さんが仕事を始められてから現在までの経過の続き
30年も印刷業としてやってくると、辞めて別のことをしようということはなかなか
難しい・・・という中で今もやってはいるけれど、いつか転換期が来て新たなことを
考えないといけない時が来るとは思っている。
このことについては、今真剣に考えているという戸田さんです。

以上までが、戸田さんが仕事を始められた経過と現在までの経過を簡単にまとめさせ
ていただきました。
前回の掲載の時に、ここまで載せておけばキリが良かったかもしれませんね…
失礼しました。
戸田さんが仕事をやり始めたこと、仕事をしてくる中での問題点について自身を振り
返る。
 次は、働くと言うこと・自分で仕事を始める事を含めてその中でなにが問題だった
かを戸田さん自身が今までのことを振り返って思い返しながら整理をしていかれまし
た。
「自分が仕事をを始めた時と今の時代背景はだいぶん違うので、
イコールには全くならないが起業を…と考えると
今の方が厳しいのではないかと思う。」と語る戸田さん。
戸田さんが起業した頃(約30年前)は、印刷業の技術と専門性、(印刷業の)社会
的な地位や評価などもあったこともあり、そんなに営業をしなくてもある程度仕事は
まわってきたとのこと。
しかし今、自分が同じ仕事で起業すると考えると…。

 つい最近もこんな問い合わせがあったそうです。
『印刷の仕事を始めたいと思っている』という若い障害者からの問い合わせ。
 そんな若者に対して『辞めたほうがいい』と即座にアドバイスするくらい厳しい状
況とのこと。

 パソコンの普及によって変わったこと

戸田さんはこう言っておられます。
「技術などの蓄積が非常に短い期間で済む。」
(戸田さんが印刷業を始められた当時の印刷業は)3年くらいでやっと一人前といわ
れるくらい、時間的な経験がないとできない業種だった。
 だから、逆に言うと存在できた、と。
 仕事の依頼といえば、今までは印刷会社からのものを受けていたが、今は印刷会社
自身が自社にオペレーター社員を雇ってしまう。
ということは、外に仕事を出さない。
社内で物事を動かすことによって何とか採算をとっている。
社外に経費を出す余裕がない。内製化が進んでいるとのことだそうです。

 現在は、オーバーフォロー(自分のところであふれ出た仕事の依頼)が多いそうで
す

 ITで障害者の仕事の幅が広がった!?

ITで障害のある人たちも業を起こしやすくなった
その可能性があるんじゃないか、といわれたりしているが本当にそうなのか?
 競争社会とも言われたりしているが、競争に勝ち抜けるチカラがないと難しいので
はないか。という見解の戸田さん。
 ITで成功していると言われる人はごくわずか
IT長者とは言われないにしろ、障害者の仕事も増えるのでは?ということはあり得る
 しかし、片方では「いかに早くキーボードをたたけるか、いかに瞬時な判断ができ
るか」といったようなことが求められていると語る戸田さんです。
 また、一定の就業年齢に達して、そのスタートラインにたった時に大きな差がある
と戸田さんは仰っています。

 というのは、障害者が抱えているハンディというのは、『障害』というハンディだ
けでなく、一定の就業年齢に達する段階で例えば18歳だとすると、障害のない人た
ちが受けてきた18年間の教育内容と養護学校で受けてきた18年間の教育内容を単
純に比較したら、ハンディの部分は別にして教育水準や教育内容が全く違うから18
歳という就業年齢に達したときに障害者が「パソコンの仕事やりたいから」と言って
企業に採用されるかと言ったらないだろう。
 障害のない人だったら、今だと小学3年生くらいからパソコンの授業がある。
パソコンというところだけで見ても専門的な授業じゃなくて一般的な授業でも取り入
れられており、一定程度の技術の習得ができている。
養護学校でそこまでできているかと言えば、できていない。

 パソコンが障害者の職種ではないかと議論として言われながら、そのことに対応で
きているかといわれればほとんど対応できていない。
そうなると、「スタートラインに大きな差がある。」と。
 と、今回もここまでで一度切ります。

ー続きは次号に掲載しますー
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まちなか(グループホーム)の入居条件が
変更になりました。
※変更になった点のみを掲載しています。
 その他の入居条件等についてはお問い合わせ下さい。
(ホームページでも見られます。)
・障害程度区分2以上
・男女問わず
体験入居もできます!
お気軽にお問い合わせ下さい。
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講師派遣日記
 1月23日火曜日 富山市立呉羽小学校6年2組の皆さん
 呉羽小学校さんへは2年ぶりに伺いました。
2年前は4年生の方にお話しをさせてもらいました。 学校に着いてびっくり☆★そ
うです!
2年前にお話しさせていただいた皆さんとの再会だったんですね~!!
 最近は、パワーポイントを使って話しをするようになっています。
今回のテーマが『誰もが住みよい呉羽の町』ということでしたので、事前に小学校周
辺に足を運んで公共施設や通学路を写真に撮ってきてその写真などを見てもらいなが
ら話しをしていきました。

26日金曜日 高志養護学校
第2回進路学習会の場に呼んでいただきました。
学習会では、富山・高岡・新川・砺波の各圏域ごとに分かれて相談支援センターのコ
ーディネーターからセンターの活動や地域の福祉サービスについて話しを聞く、とい
う形で行われました。
私たちは、センターの活動内容や相談等に対して具体的にどのようにしてコーディネ
ートをしているのか、また自立生活プログラムなどについてお話しをさせてもらいま
した。
また、学習会に先だって授業を受けておられる生徒さんたちの様子も見させてもらい
ました。 
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自立生活体験レポート1
 昨年の10月に、約10日間自立生活体験をされた方の感想です。
 数回に分けて、掲載していきます

 今回の自立生活体験は以前の体験と違い、より地域生活に向けてへの実践的なもの
だった。体験に入る前に体験の日程・日中活動の計画・体験中の予算の管理など実践
的なものだったが、私は体験に乗る気がないのか、のらりくらりとした日々を過ごし
ていた。体験の日が近づいてくるし、計画表を出さなければいけないと思い、何とか
思いつきで計画表と予算書を作成した。

 しかし、体験の前日になってもやる気が起きてこない。「やっぱり、施設生活が良
い」という思いが強い。センターに、「イベントだけに参加したい」とメールをした
ら「それならホテルに泊まれば」という返事だった。この返事が考えを変え、「よう
し、体験をやってみよう。」という気持ちを起こさせた。
 前日の夕方に体験の計画表がセンターから送られてきて、「土日の夜の介助者が決
まっていないので自分で探すように」と書かれてあり、再び不安がわいてきた。
 でも、「何とかなるさ」と思いながら体験の準備をしていた。

 当日になっても、何故か気が進まないのかパソコンばかりに向かっていた。
  何故だ、体験当日なのに電車の時刻も把握していなく、移送サービスの人が迎えに
来て時間に気づいた。何という有様だろう。

 昼食が済んで、移送サービスの車に乗り「今までならきちんと電車の時刻を調べて
あったのに今回はどうしたの?」と強い口調で言われ、またショックを受けていた。
駅で往復の切符を買い、帰りの電車を調べてから移送サ 富山駅に着くと今までの不
安もなくなり、CIL富山から携帯に電話がかかってきた時はうれしくて。こんなにも心
配してくれているのだと思うと「ありがとう」の感謝の気持ちになった。
- 続きは次回に掲載します。-
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当センターの主な動き
(この間の活動報告)
12月6日(水)第11回講師派遣(青山彩光苑)
12月7日(木)富山圏域就労支援ネットワーク会議参加
                      (サンシップとやま)
        事務局会議
12月9日(土)~10日(日)第12回障害者政策研究全国集会参加(東京)
12月21日(木)事務局会議
12月27日(水)ケア会議
12月28日(木)事務局会議
1月4日(木)事務局会議
1月15日(月)~19日(金)自立生活体験室利用(自立生活体験室)
1月18日(木)事務局会議
1月23日(火)第12回講師派遣(呉羽小学校6年2組)
1月25日(木)事務局会議
1月26日(金)第13回講師派遣(高志養護学校)

(今後の予定)
2月5日(月)~6日(火)障害者相談支援事業全国連絡協議会
          コーディネーター研修会参加(名古屋)
2月17日(土)第14回講師派遣(渓明園)
3月24日(土)第15回講師派遣(車いす友の会ゆうゆう)

◆一年で一番寒いと言われるこの時期になっても、雪が降らない北陸の冬であります
。昨冬の大雪のことを考えると過ごしやすいという面では嬉しいのですが、あまりの
異常気象に不安を感じずにはいられません。皆さんはいかがお過ごしですか。
 センターは、昨年末から講演依頼をちょくちょくいただきます。市内の小学校へも
行きましたがあらためて「小学校での講演は楽しいな!」と感じます。疑問に感じた
ことを率直ぶつけてくれるので、すぐにとけ込むことができます。
 これからも、「自分たちが今できること」からやっていきたいと思っています。改
めまして、今年もよろしくお願いいたします。 
(ちこ)



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