源 慈紹さんを偲んで
自筆
 私たち自立生活支援センター富山の設立以来、監査を引き受けて
頂いていた源さんが11月14日の晩に他界されました。
 源さんとの出会いは、80年代初頭でした。富山市行政が差別照 会文を全国の自治体に送り、全障連が障害者差別として富山市行政 を糾弾していた頃、部落差別に取り組む宗教団体として関わってこ られました。
 その頃からのお付き合いで、85年に富山で初の民間作業所「富 山生きる場センター」を設立した時には世話人になって頂き、その後 ある知的障害者の人の自立に向けた取り組みを源さんのお寺で預か ってもらいながら始めました。
 また、源さんは保護司をしておられたので保護観察を受けておら れた子どもたちを預かっておられました。その子らを生きる場セン ターで日中預かりながら、ともにその子らに関わりながら歩ませて もらいました。さらには、源さんのお寺で宿泊をさせていただきな がら企画を組んだり法話に呼んで頂いたりしました。
 源さんとご一緒に差別問題に取り組ませていただきながらよかっ たと思うことは、保護観察を受けた子らとの出会いが私自身を変え てくれたことだと思います。その子らと向かい合うことの大切さ、 そして何よりも関わりあう中でお互いを理解していくことの大切さ を学んだと思います。
 上記の文章は、源さんが亡くなる前に自筆で書き残されたもので す。源さんの生き方をとてもよく表しているなと思いました。
 源さんとともに歩んでくることができたことにとても学ぶことが 多い出会いだったと思います。心からご冥福をお祈りいたします。
理事長 平井 誠一