9月4日(日)サンフォルテにて、NPO法人「自立生活サポ
ートセンター・もやい」事務局長の湯浅さんをお迎えして開催
しました
保証人支援を考える講演会
 9月4日(日)サンフォルテにて、東京
からNPO法人「自立生活サポートセンタ
ー・もやい」事務局長の湯浅さんをお迎え
して、保証人支援について考える講演会を
開催しました。

 以下はお話から・・・
 90年代に大都市から起こってきたホーム
レス(野宿者)の問題が全国に波及する中
で、経済的困窮のみならず人間関係の貧困
にも目を向けて湯浅さん達は2000年5月に
保証人支援を考える写真
は野宿する人たちやドメスティックバイオレンスの被害者にも、食糧を配る
活動「フードバンク」を開始されました。同年に東京都がはじめた野宿者向
けの「自立支援事業」では、自立支援施設から出て地域のアパートで暮らす
際に必要な連帯保証人の問題にぶつかることとなります。
 実際に東京都が行っていた公的居住支援制度(連帯保証人)は児童養護施
設の卒業生を対象にしたものだけで、縦割りの行政の中では生活困窮者の抱
える問題について、どの部署も消極的な態度であったそうです。
保証人支援を考える写真
 その後、東京都23区の中で8区で制度がつくら
れるようになりましたが、一定の要件をクリアし
た人のみが対象であり、宣伝もしていないために
利用者はごく僅かに限られていました。そんな東
京都の取り組みに比べ横浜市が制定した「民間住
宅あんしん入居事業」は使いやすく、開始後4か
月で70名の利用が既にあったそうです。もやい
さんでは、東京都でも使いやすい制度に変えさせ
ていくための働きかけを行っているところだそう
です。
 もやいさんが現在連帯保証人を提供している人数は約800人。内訳は野宿
関係の人が7割、DV被害者が2割、精神障害者や外国人労働者が1割だそう
です。
 毎週火曜日に面談を行っているそうですが、予約は半年先まで埋まってい
るそうです。
 また、せっかくアパートに移っても地域で孤立することを防ぐため「寄り
場づくり」を行っています。毎月2回の交流会、講習会やレクリエーション
を実施。当事者が運営する喫茶スペースも開設しました。
 「もやい」の活動に関する詳細な資料や講演の中でふれられた横浜市の出
している<民間住宅あんしん入居事業>に関する資料などを当日会場で配布
しました。残部、少々あります。
 保証人支援について考えてみるには良い資料になると思います。
ご希望の方は当センターまでお問い合わせ下さい。
 もやいさんでは、寄り場作りだけでなく3か月
に1度はがきを送付して、安否確認も行っていま
す。返信率は2割。その内容によって家庭訪問も
行います。
近隣とのトラブル、精神疾患による引きこもりな
どに対応しているそうです。
 生活保護の申請にも付き添います。これは当事
者が、一人で福祉事務所へ行っても追い返される
ことが多かったことからやるようになったとのこ
と。
 しかし、実際の活動の中では、予期しない問題
も次々と起こります。例えば家賃滞納等による引
き払いが生じると、湯浅さんたちは廃棄物処理を
行う「便利屋」を発足します。運送業や引っ越し
のアルバイト経験のある当事者が、食べていける
活動につなげたのです。月商300万円ほど。
 多重債務問題にも取り組んでいます。そのため
に法律の専門家にも協力を依頼。現在、弁護士や
司法書士ら30名程が登録しています。
 今後の課題は、非常勤職員の設置やネットワー
クの拡充があげられます。沢山の人がこの問題に
関心を持ち、関わってもらえるような取り組みが
求められているようです。
保証人支援を考える写真
 当日の講演録を現在作成中です。近日中には完成する予定です。冊子にし
て頒布しますので、ご希望の方は当センターまでご連絡下さい。