タイトル
自立生活支援センター 体験室の利用を終えて 寺崎謙三さん
体験中に寺崎さんが作った食事
スパゲティー・スープ シーチキンサラダ・おにぎり


 この度、8月1日より、希望を持っていた1人暮らしになりました。
 今回2週間、(6月2日~15日)自立生活体験ができたことは、と
てもよい経験だったと言えます。
 それから、今年度からなんだろうか、在宅と施設の違いっていうのを
知りたかったのと、施設生活しか知らずに過ごすことも自分の本当の目
標も見失っていた気もします。
 今回、自立生活支援センターを体験できたことを協力していただいた
皆さんと自立生活支援センターの皆さんから学ぶことができたことに喜
びと感謝の気持ちでいっぱいです。
 ありがとうございます。
 自分が今回体験室を利用させていただいた第1の目的は、自炊がどこ
までできるんだろうかまったくわかりませんでした。
 就職することしか考えていないというよりも、施設生活しか知らずに
育った、社会参加?(一般の生活)は知りません。
 自分からは、自立って何って聞きたい、社会参加って何って聞きたい
です。と言うのは、自分が昭和41年1月(当時3歳)より、家族とい
うものは知らずに施設生活を過ごしてきました。これが普通の生活だ、
という甘えもありました。
 これだと、就職も無理だと言われて当然でしょう。
 自炊をする方法も知りませんでした。行うことも賛成をもらえません
でした。
 自炊と仕事の両立は無理なんでしょうか?
 何回かは、就職の話はありました。職安にも行きました。そこで問わ
れることは「生活はどの様にされてるんですか?」と言われても答えら
れませんでした。
 生活(自宅はない、自炊の経験もない。)は、どの様に過ごすのです
か。
 仕事もしなければ、生活もできない。どちらが基盤なのですか?。
 答えれないから施設に入っていることで、答えなくてよかったんです
よ。
 でも身内がいないものはどうすればいいのか、自分の人生をどの様に
選択すればよいのか見当もつきません。
 自立生活支援センターの存在を知ったのは、今年に入ってからのこと
でした。
 友人・知人よりいろんな情報をもらい、今自分が何が必要なのかを話
し合いました。案外あっさりと「体験してくるこっちゃ。体験もしない
で何に言える。紹介してやるから行かなければ損するゾ。」と言われ、
半信半疑で自立生活支援センターに相談を持ち明けに生かせて頂きまし
た。
 自分の現在、これからの希望を聞いていただいたことに、感謝してい
ます。
 それから自炊体験で利用させていただけますかと聞いたところ、利用
させていただけるとのことで、自分が実際に経験してみないと周囲から
無理だろうと言われても納得できないことは自分の本音です。
 体験室利用中にできなかったことは、熱い物はもてない・野菜の千切
りにジャガイモが小さかったら皮むきは難しいこと、大きなジャガイモ
を買えばよいものか迷うところ。鍋を火にかけた後の対応。カレーライ
スや肉じゃがのように細かき切らなくてもよいものはできましたが、ス
ライスするものは無理で自分のできるものは自分でやるものですが、自
分のできない部分は介助していただける方にやっていただけました。
 味付けは自分ごのみで、味を調整できます。(自分が食べるから自分
ごのみでした。)
 自分が自炊する経験をすることで、施設での調理する方々の苦労はわ
かりました。
 しかし、味にバラつきがあっても当然です。
 人それぞれのこのみの味がありますから。
 自分の人生自分で選択できないのですか。収入がないから一人暮らし
はできないんですネ。
 生活する場がないから、就職はできない。
 ただ障害者と言うことで施設利用はできました。障害者ではなかった
らどんな生活をしていたのだろうか。
 自分は親の顔は知らない。どんなぬくもりだったのかも知らない。
 施設職員とのふれあいと仲間達しか知らないが幸せを求めていたこと
は何だったんだろうか?

 自立生活支援センターの皆さん、本当にありがとうございました。
 体験室利用で勇気がモリモリでてきました。生きる喜びがわいてきま
した。

 しかし、もう10年前に出会えていたら、もっとうれしかったでしょ
う。
 これからは、もっといろんな人に出会えること楽しみたいです。
 そして、今、一人暮らしを始めたこと、施設にいたころと、今では人
の優しさにふれあうことが増えてきましたことに喜びを感じています。